トップメッセージ

みなさまには、平素から格別の
ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、当社の取り組みについて、
一層のご理解を深めていただくために、
事業の概況・今後の課題等について
ご説明いたします。

イチカワ株式会社
代表取締役社長

長期ビジョンの策定と第8次中期経営計画(略称:“NE-27”)の概要

当社グループは1949年の創業以来、約70年にわたり着実に成長してまいりましたが、近年では、紙のデジタル化による構造的な需要縮小やグローバル市場での更なる競争の激化、加えて新型コロナウイルス感染症の影響やウクライナ情勢による世界的な経済環境の停滞により、極めて厳しい状況が継続しており、今後もカーボンニュートラルへの対応等大きな変化が起こることが想定されます。
このような事業環境の下、2030年における世界経済や社会におけるメガトレンドを調査・検討し、その社会構造の変化にどのように当社グループが関わっていくのかを掲げ、全社員が目指す「2030年に実現する未来(IK VISION2030)」を決定いたしました。

IK VISION2030

サステナブルな社会に貢献し、イチカワを支える役職員、取引先、株主及び周辺の地域社会がそれぞれ高い満足度を持つ会社となる。
当社グループは、IK VISION2030で示した進むべき方向性に対し、今後3回の連続する中期経営計画によりこのビジョンを達成してまいります。その第2段階として第8次中期経営計画(略称:“NE-27”)を策定いたしました。

経営方針:
「高品質かつ革新的な製品及びサービス」を
「グローバル競争力のあるコスト」で提供し、
「国内及び世界中の顧客の信頼」を獲得することにより
 社会へ貢献する。

一. 顧客第一: お客様の喜びを最優先し、品質とコストの両立を徹底的に追及する。
一. 社員成長: 達成可能な高い目標を設定し、社員一人ひとりの成長を促進する。
一. 迅速行動: 失敗を恐れず、スピード・行動・執念(SKS)を持って目標を達成する。

 

“NE-27”経営目標

  • 連結売上高:142億円以上
  • 連結売上高営業利益率:8.2%以上
  • ROE:4.2%以上

当社グループは、抄紙プレスパートで使用される抄紙用フエルト、シュープレス用ベルト及びトランスファー用ベルトの3製品を「すべて開発・製造・販売できる」という国内では唯一、海外でも数社しかないという強みを生かし、前中期経営計画では、グローバル展開を推し進めるとともに、効率的な生産体制を整備することで、収益力の向上を図ってまいりましたが、主に競争の激しい海外市場での収益基盤の強化については、課題が残る結果となりました。

前中期経営計画“NE-24”の経営目標を達成するために、諸施策を実行してまいりましたが、十分な成果に至らなかったことを真摯に受け止め、“NE-27”では「収益力の向上」、「グローバル市場での成長」、「事業基盤の強化」、「SDGsを含めた社会への貢献」を目的として「新領域への挑戦の3年」のスローガンを掲げ、新たな経営方針の下、活動を進めてまいります。
当社グループが製造している抄紙用具(抄紙用フエルト・シュープレス用ベルト・トランスファー用ベルト)が使用される取引先の抄紙機のプレスパート工程は、製造される紙の品質を決定づける、また、全工程を通じたエネルギーコストに与える影響が大きく、紙を製造する上で品質面・コスト面ともに一番重要な工程で、当社グループは、取引先のプレスパート工程の能力が最大限に発揮される製品の組み合わせをご提案し、開発・製造・販売ができる国内唯一、海外でも数社しかないメーカ-です。
“NE-27”では、国内市場において収益を確保するための施策を推進するとともに、競争の激しい海外市場で成長していくために収益力向上を図ってまいります。また、社内の資源を活用するだけでなく、外部機関を積極的に活用し、研究開発力・製品開発力を強化してまいります。
なお、当社グループは、SDGs活動を経営の最重要課題として位置付けており、企業活動を通じて環境負荷の低減にも取組んでまいります。

当社グル-プは、革新的な挑戦を続け、株主の皆様、お取引先、従業員、地域社会などのステ-クホルダ-に対する社会的責任を果たし、社会とともに成長する企業を目指し日々努力を重ねていきますとともに、その基盤構築のために、内部統制の一層の充実を図り、企業価値の増大に邁進してまいります。

2025年4月1日
イチカワ株式会社
代表取締役社長 矢崎 孝信