製紙市場のグローバル化とともに、よりコスト競争力に優れ、付加価値の高い紙づくりへの要求が高まり、プレスパートにシュープレス機構を導入する動きが進んできました。シュープレス機構は、従来に比べ、搾水性に優れているのが最大の特徴です。1988年に国内初のシュープレス用ベルトを開発して以来、イチカワはこのような時代の流れにいち早く応え、独自の技術でシュープレス用ベルトの革新を続けてきました。その成果が紙の品質に大きく影響する優れた搾水性を有し、耐久性と走行安定性を高めロングライフを実現可能としたシュープレス用ベルトです。その功績が認められ、1998年に紙パルプ技術協会より斯界の権威ある「佐々木賞」を受賞しました。現在、世界の約700ユニット以上で使用され、お客様のゆるぎない信頼を得ています。今後も、永年にわたって蓄積した高度な技術と最新製造設備によって、お客様のニーズにあわせた製品のバリエーションをさらに広げていきます。

近年、搾水性と平滑性を高めながら、いかに走行スピードを上げるかが大きな課題となっており、生産性向上を目的としたクローズドトランスファープレス機構（CTP）が開発されました。CTPで使用されるトランスファー用ベルトは、毎分2000mクラスの高速域も安定して紙を製造できる操業安定性を実現し、再湿を防ぎ生産性の向上や紙質改善に寄与する最新の抄紙用具です。当社では、CTPの開発当初から注目し製品開発に成功。導入が進む欧州・中国を中心とした海外市場で実績を上げています。紙の付加価値を追求しながら、新たな発想で高速走行性と強度維持に優れた次世代の製品を開発し、操業安定に貢献してまいります。